2013年2月6日水曜日

砂漠の上、星空の下。

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夜に満点の空が広がるであろう砂漠に向けて、これから旅立つ。

頼りになるのがそうこのラクダ。

お尻がさらに割れそうになるとか、内股がつりそうになるとか悪評の絶えないラクダツアー。

僕のラクダは頼りになりそうだろうか?


なかなか凛々しい顔立ち・・・とはお世辞にも言えないけれども、こいつが僕の相棒。

思ったよりもしっかりと備え付けられた鞍。

「いざ、目の前の砂漠に突き進め!」と気持ちだけ高揚したけど、ラクダの歩みの遅さに

あえなくその気持ちは砕かれ、砂漠の沈黙に浸ることになった。


人間は砂漠に来ると、その広大さの前に無言になる。

それは砂漠を通して、人間が、自分自身がいかにちっぽけかを痛感させられるから。

アフリカ大陸を横切るようにして広がるサハラ砂漠。

その北には地中海性気候の土地に、征服者としてやってきたアラビア人の文化が広がり、

砂漠の中には、それとは別にベルベル人という砂漠の民がいる。

そしてサハラ以南には"ブラックアフリカ"といわれる黒人や多様な動植物が暮らす豊かな土地がある。

アフリカだって多様なんだ。


果てしないように続く砂漠の起伏。ゆっくりと進む僕らの列。

その昔、キャラバンはこの砂漠を越えていったらしい。

砂漠にどっぷりと浸かり、命の危険を背負ったその当時の旅はどんなものだったのだろう。

裸足になってみると、そのきめ細かい砂を踏みしめる感覚きっと忘れられなくなる。

走り出したくなる、高い山に登りたくなる。意外と簡単に登れてしまう。

乾燥した砂漠に強かに生える植物。いきなり現れる井戸。

砂漠が井戸を隠し持っているというのは本当だったんだ。


夏の砂漠は日中の気温が50℃にもなるのに、冬の砂漠は日中でも20℃程度。夜は5℃くらいまで冷え込む。

夕陽を地平線の彼方に見送った反対側の地平線には、少しづつ夜の主役が姿を現してくる。

その主役が夜空いっぱいに広がるまで、砂漠のテントにはいって食事をとる。

今回のツアーの仲間としばしの談笑。

思い出に深く残るであろうこれからの体験の前に、モロッコでは手に入れにくいお酒で乾杯。


夜空に星が広がってくる。日中も、夜も、砂漠は本当に魅力が尽きない。

首が痛くなるまで見上げれば、疲れて砂漠に寝転ぶ。

いま目にする光は星が何光年も前に輝いた瞬間の光。

もうなくなってしまった星もあるかもしれなくて、また新しい星もうまれてるのかもしれない。

いま空を横切った流れ星が放っていた光もあるのかもしれない。もう願い事かけ放題。




夜空の満点の星もそれぞれも綺麗だけど、他の星から観たらきっと地球もすごいんだろうな。

みんな地球に負けないように、競い合って綺麗に光ってるのかな。

どこかから見ているなら教えてください、星の王子さま。



気がつけば時計が27時になるまで、僕とおない年の大学生3人組は一緒に星を眺めた。

「夜は夜明け前が一番暗くなる。」

星が夜空を隙間なく埋め尽くす。ひとりだと神秘的に感じたり、孤独に感じたり、そんな不思議な感じ。

この星をバックパックに詰め込んで持ち帰りたいけど、独り占めはよくないね。

衝動買いだけど、砂漠民の衣装ジェラバも砂漠にはよく映えた。


それぞれの想いを抱えて、それぞれの長い旅路を来て、ここまで大学生でも来れるんだ。

こんな景色に出会える。

こんな風にバカだって出来る。

これ、ドラえもんね。


代り映えしなかった日常なんて、旅に踏み出せば一気に変わり、変えられる。


ある時、決して悪い人ではないのだけれども、

「もう若くないからね。」「ああ、していればよかった。」と

口癖のように言う大人と旅の話をした事がある。

「そんな人に旅に出てみてください。なにか変わりますから。」なんて軽くは言えない。

そしてそのとき、旅に関してではないところで僕はその人をひどく不憫に思った。

「あれもやってみたけど、なにか自分にはあわなかったんだよね。」

「あれをやろうと思った事は何度もあるんだけどね。。。」

口から次々と言い訳のような言葉が並んで出てくる。聞いている僕も辛くなる。

その人はまるで新しいものごとに触れる機会を恐れているようだった。


そんな風な大人に自分は絶対なりたくないから、

僕はここまで新しい一歩を踏み出し続けたこの旅の自分の気持ちを大切にする。




旅先の土地の記事も次でラスト。

今日も読んでいただいてありがとうございました。
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