2013年2月3日日曜日

ひとりじゃできないこと。

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スペインからジブラルタル海峡をフェリーで渡って、モロッコに入国する。

僕のなかでこの国は来る前から思い入れ深い国になっていた。

僕が大事にしていた本であり、ここまで導いてくれた本である"アルケミスト"の舞台。

神秘的なサハラ砂漠が訪れる人を幾度となく魅了してきていた土地。

南米を行かない事に決めた僕にとって、この国が僕の冒険の旅の最終目的地にいつしかなっていた。

"ここに行けばなにかがある"

みなさんはそんな場所を信じるだろうか?

僕はどうだろうか。はっきり言い切れる答えはまだない。

ただ僕にとってモロッコは"ここに行ってなにかを決めよう"という土地だと感じていた。

何があるか、誰がいるのか、面白いのか、つまらないのか。


そんなことは関係なくて、すべては自分次第。この旅で大きく自分に刻み込んだ言葉だ。



フェズという大きな迷宮のようなメディナ(旧市街)を持つ街に2日滞在した後、目的地の砂漠の街へ到着した。

朝早く着き、まだ暗かった辺りの様子も次第に朝日がのぼるにつれて見えてくる。

土壁造りの家々の姿が見えてきた後に、オアシスが見え、その奥に砂漠の山並みが見えた。

ゆっくり今僕は砂漠の目の前にいるんだ、という気持ちを噛み締めた。

そしてここまでしてきた旅の瞬間瞬間の風景を走馬灯のように思い巡って、自分を少し褒めた。



お世話になったのは"Wildness Lodge"。かつてのノリコハウス。



オーナーのオマール。気ままに、でもしっかりと気遣いをしてくれる砂漠の男。

ここでは本当に素敵な出会いに恵まれて、僕にとって大切なところなった。

今までの出会いも等しく素敵で、嬉しいものに違いはなかったけれども、

僕の最後の冒険の国での出会いは、いつも以上に感謝したい、出会うべくして会えた人たちだなと感じた。

 スポーツに仕事と幅広い人生経験を持つ戸島さん。

僕が宿で一番先に出会えたのが戸島さんで、宿に着いたばかりで慣れない僕にいち早く気遣ってくれた。

大人としての責任感、誰にでも等しく使ってくれる思いやり、場が温かい雰囲気になるユーモア。

その3つが自然に成り立っていて多くの学べる事があったし、とても近くに感じるのに尊敬できる方だった。

社会で立派に働いていたにも関わらず、人生をより楽しむために旅に出た仙人、こーたさん。

たくさんのお話を重ねて見えてきたものは、経験からつくりあげてきたこーたさんの考え方の"ものさし"。

僕も一緒になって、いろんなことを考えさせてもらい、その"ものさし"を交換した。

はじめて寝起きに会った時は、「あかん!」と思ったのは秘密です。


 他にも砂漠の魔女ちひろさんやおない年のたっくん。この4人と出会えて、その輪の中に入れた事は大きかった。

みんなで過ごす時間は、いつも笑いに溢れて密度の濃い時間だった。

本来ならお金持ちのイメージの強い日本人が、人数の多い事をいい事に強気で驚かせる程の値引き交渉。

ちょっとしたハプニング、些細な出来事もみんなの笑顔と思い出に変わっていく。


 ふと思えば、僕はこの旅で旅人が集まってするグループ行動のようなものをほとんどして来なかった。

移動はいつも自分のタイミングを守ったせいか、誰かと一緒に都市を移動して旅した経験も少ない。

それはブログの縛りでもあったし、ヨーロッパでは現地の友達にお世話になっていたからでもある。

だから、サハラ砂漠に到着した朝にいきなり誘われてみんなでショッピングしたことから、

なんでもかんでも時間を共有して過ごしたみんなとの時間は僕にとって新鮮で、ひとりわくわくの連続。


今までたくさんの写真を撮ってきた。

いろんな一瞬、風景を世界から切り取ってきた僕だけども、ここでは"みんなで作り上げる1枚"という体験をした。

子供みたいに頭を柔らかくして、笑いながら真剣に、面白い事だけを考える。その成果をご覧あれ。

ただ人が集まれば出来る事じゃない。

お互いがいい関係になってるからこそ、撮影する過程から楽しめているからこそ、いきいきとした写真になる。



いろんな種類があるタジン鍋。

みんなでいるとおいしい料理は黙々と食べて、まずい料理は笑いと思い出になる。

食事の感想の共有はしかり、自分たちで日本食が恋しくなってシェア飯を作ったりも出来る。

それが、みんなといると楽しいところ。



こんな風に、旅の最後の国で僕はこれまでの自分の旅と違ったスタイルをめいいっぱい楽しんだ。

辛くも寂しくもなるけれども"ひとりの時間"を大切にしたのは、本当に僕を強くしてくれた。

今の自信を持った自分がいるのは、確実にその時間の中から作り上げたという自負もある。

でもその間に、確かに選べなかった機会があった。

これまでの旅の途中に、"もっとこの人と一緒に旅したい"という気持ちがあったように。

それの埋め合わせか、偶然にここに集った仲間で、最高に笑った時間を過ごした。

ここまで長く旅してきたけど、まだ旅を好きになれました。

出会ってくれたみんな、本当にありがとう。



人間はひとりで生きる事は出来ない。でも、大人になると独り立ちを求められる。

そして、心のよりどころを求めてふたりになる、子供も出来て、家族になる。

社会や親に依存して生きる幼少の年代。

勉強やスポーツ、様々な事を経験して、自分を確立しようと成長していく年代。

自立する事に余裕が出来て、誰かを支えられる余裕がある年代。

年齢によって変わる旅もあれば、旅にも人生のような年代がある。

それぞれ異なった旅の背景や年代を持つ旅人が出会って、影響し合って、化学反応を起こす。


でも実はそれは、旅に限った事ではない。

日本社会にいても、いま自分が所属している小さなコミュニティの中にもその機会はある。

"何をするかとおなじくらい、誰と一緒に働くか"が重要なのはそういう事だと思う。

僕は素晴らしい環境で、素晴らしい出会いに、素晴らしい先輩に囲まれて今がある。

お互いが意見を持って、響き合って成長させてもらってきた。

でも、僕の発する音はまだまだ小さくて弱々しかった。

もっと僕の発する音を大きく出来れば、きっともっともっと響き合って僕も周囲も成長出来るはず。

そう思って、ひとつの手段として"世界一周"を選んだんだ。

それももう終わりにきている。僕はまだ至らなくても確実に強くなれた。

日本に帰ってからは、自分を高めつつも、僕の周りともっと響き合っていけるように生きていく。

みなさん、帰国後の僕もどうかよろしくお願いいたします。


今日も読んでいただいてありがとうございました。
読んでくれる人のこころになにか残せるように言葉を探します。
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帰国したら会えたりできる関係も作ることがひとつの夢です。

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