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「めんどくさいなら来なくていいよ。だいじょうぶ。」
「来てほしいなら素直に来てほしいって言えばいいじゃん。」
「言わないと来てくれないんだ。」
「本当に来てほしいのかどうかわかんないんだよ。」
前に付き合っていた彼女とのケンカ。電話越しの会話。
僕は素直に「会いたい、来てほしい。」その言葉を彼女に求めていた。
それに答える彼女の言葉は素直でない、ひねくれた答えばかり。
彼女も就職活動やあたらしい環境の変化の流れのまっただ中にいたのだから、
「疲れていたんだろう」とおもう。
僕も最初は彼女の疲れた声を聞いて、その疲れ、肩の荷の重さをいたわった。
それでも続く会話のはっきりとしない、何度も同じ会話を繰り返すようなやりとりに徐々に機嫌を悪くしていく。
しばしばおたがい意地を張りあってしまう僕らの関係。
そうなるともはや解決策はどこか遠くに走り去っていくように感じられた。
そしてその時僕は結局彼女のために動くことができなかった。
棘の混じった会話に嫌気がさし、僕がこころに蓋をしたから。
僕は当時の彼女に"言葉"を求めた。
その彼女は僕に"行動"を求めていた。
その答えは彼女のくれた本の中で見つけた。
僕も大好きになって、世界一周にも持ってきている"星の王子さま"
ある時、とてもちいさな王子の星に一輪の美しく誇り高いバラが咲いた。
「日が暮れたらガラスの覆いをかけてくれるわね。あなたの星はなんて寒いんでしょう。」
「ついたてのことはどうなったの?」
バラは甘い声で多くのことを王子さまに非難がましく言いつける。
王子さまは善意の愛を注いでいたにも関わらず、やがて彼女に不信を抱くようになった。
そして、王子さまはその愛する花を残して星を巡るたびに出る決意をする。
旅立ちの日、王子さまは泣きそうになり、バラは言った。
「あたし、ばかだったわ。ごめんなさいね。どうかお幸せに。」
バラは王子さまを急かして旅立たせた。泣くのを見られない為に。
何しろ誇り高いバラだったから。
遠くの星まで旅をして王子さまは悟った。
—あの頃は何もわかっていなかったんだ。彼女の言葉ではなくて行動で判断すべきだった。彼女は僕の星をいい匂いで満たしてくれていた。僕の生活に灯をともしてくれた。ぼくは逃げたりしてはいけなかったんだ。つまらない見せかけの裏にあるやさしさをちゃんと理解するべきだった。花のすることは矛盾だらけだ。それにしてもぼくは幼すぎて、花を愛するということがわからなかった。—
ぼくはあの電話越しのケンカで"言葉"に捕われてしまっていた。
本当は矛盾だらけの会話なんて必要なく、"ただ会いにいくこと"が答えだった。
そのときの彼女もぼくの生活の灯で、ぼくをたくさん知らない世界へ連れ出してくれた。
花よりももっともっと大きな愛をくれていたはずなのにそれにぼくは気づけなかった。
矛盾する言葉の中にも"恋"はある、しかし"愛"はいつも行動の中にある。
大人よりもちいさな子供のほうがそのなんたるかを知っていた。
こどもたちは"What is love?"の質問にこう答えた。
愛は、食事に出かけたときに、フライドポテトを誰かからもらうんじゃなくて、
自分のをほとんど誰かにあげてしまうこと。 Chrissy – 6歳
愛は、ママがパパにチキンの一番おいしいところをあげること。 Elaney-5歳
愛は、おばあちゃんが関節炎になっちゃって、かがんで足の指にお絵かきできなくなっちゃったから、おじいちゃんがいつもやってあげてること。おじいちゃんの手が関節炎のときも。 Rebecca – 8歳
子供が教えてくれることってある。
だからぼくはこどものこころを大切にしてる。
あの澄み切った瞳に、宝石のような笑顔に全力で嫉妬してる。
いや、あの瞳の奥に自分の昔の笑顔を探しているのかもしれない。
カメラの前にろくにたてないぼくの憧れだ。
童話が教えてくれることってある。
それは生きるためのエッセンス。
とってもシンプルなのに大人になると忘れてしまいそうなこと。
難しく考えてしまいそうなこと。
わかっているはずなのに活かせないこと。
このふたつはぼくがいくら大人になってもぼくの教師です。
今日の勉強は"愛"はいつも行動の中にある。でした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ぼくは彼女に"言葉"を求めていた。
そのひとはぼくに"行動"を求めていた。
それはつまりぼくは"愛"を求められていた。
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帰国したら会えたりできる関係も作ることがひとつの夢です。
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その彼女は僕に"行動"を求めていた。
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王子さまは善意の愛を注いでいたにも関わらず、やがて彼女に不信を抱くようになった。
そして、王子さまはその愛する花を残して星を巡るたびに出る決意をする。
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