2012年10月30日火曜日

"この命"をいただきます。

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血の画像がありますので苦手な方は見ないでください。
下には宿泊した宿がありますのでそこはぜひ。


宿の前にヤギがいた。毎日玄関で見かけるヤギ。

もうすぐイスラム教徒のお祭りの日が来る。ヤギはそのためだった。

その日はヤギの鳴く声がたくさん街に響いた。


すこしグロテスクな写真に気分を悪くしそうな方は一気に下のほうまで飛ばしてください。





あっという間にその作業は行われた。

からだを押さえられたヤギが必死に抵抗しようと力を入れ、野太い声で叫ぶ。

ナイフが首にあてられる。

首の血管は切られた。心臓の鼓動とともに血が躍り出る。

それでもヤギは生きていた。必死に必死に生きていた。

目を大きく開いて、呼吸をしようとしていた。

押さえられたからだを必死に動かそうとしていた。

床は血で赤く染まる。ヤギの大きなからだはもう動かない。





ぼくの目の前で今ひとつの命が終わりを告げた。

そしてその肉は人間が生きていくための糧になる。

皮を剥がれ、肉を切られ、骨を断たれ、ヤギは小さくなっていく。



日本では見ることのないひととき。残酷だけど現実的で貴重な体験。

一度、空気を吸うためにその場を離れて屋上に上った。

大きく息を吸って考える。

いまみたものは非日常の世界だった。異国の風習。

でも、これからする"肉を食べる"というのは日本でも日常の世界。

パックに詰められた肉の裏側にも同じ世界がある。

でも、日本人はその感覚をもう持っていない。

「"この命"をいただきます。」

口に入ったその肉は味よりも、そのさっきまで動いていた命を感じた。




その肉をみんなで囲んでの食卓。

いままでで一番重い「いただきます。」 想いを込めた"いただきます"

命の重さを比べられることなんて出来ない。

このからだもまたいままで"いただいてきた"命から出来ている。

だからいままでの食事にも感謝しなければいけなかった。





ジョードプルでは"ダイアモンドゲストハウス"にお世話になった。

韓国人、日本人、ドイツ人に人気の"ディスカバリーゲストハウス"と姉妹店でもある。

どちらもWi-Fiフリーで部屋もきれいで快適なゲストハウス。

ぼくは結局ここに8日いたのか。。。

見るものが多いわけでもないのに不思議と居座れる居心地のいい街。

宿の屋上からはメヘランガル要塞が望めた。



開放感のあるここの屋上が好き。

偶然にここで出会った仲間が出来て、この旅初のテーブルを囲んでお酒を飲んだり、

大富豪をしたりして夜を騒いだ。忘れられない思い出だ。

旅を終えた頃に、また東京で会えるのだから楽しみ。

「また会おう。」再会の約束がいつにもなく嬉しかった。


左がダイヤモンドを経営するラクスマンで真ん中の女性がインドの音楽を学ぶすがたさん。

そして右に座るのが宿のオーナー、ハゲ丸。

会うといつも「ハゲ丸、カミング!」といって笑わせてくれた。

下手くそな小島よしおのモノマネが出来るのがツボ。

でも本当は真面目で家庭を愛して、優しさにあふれた人だった。

「問題ない?」そういつも気にかけてくれる言葉が嬉しかった。


ラクスマンとお付き合いしていて4年、6ヶ月毎に日本とインドを行き来するさちこさん。

ちいさなケンカが多いふたりみたいですが、好きだからケンカできるんですもんね。

ただ文化の異なるひとと付き合うのはほんとに大変だなと感じさせられます。


ディスカバリーのオーナー。とっても優しいです。

そして娘のアクセラ。ボーイッシュだけど天使みたい。


ここのオーナー家族がとても素敵だった。体調の悪いぼくもここには安心していられた。

この宿との出会いに、この宿が生んでくれた出会いに感謝します。



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食べるってことは生きること。

食べるってことは何かの命をいただくこと。

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2012年10月29日月曜日

夢をみつけた時。

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もうすぐインドもアウト。次はエジプトに飛びます!



あるひとが夢をみつけたとき、そのひとは笑うのだろうか。

からだいっぱいに表現して、喜ぶのだろうか。

自分には出来ない、と泣くのだろうか。



・・・・・・・・・・・・・・・・ぼくは怖くなった。





夢を世界一周のなかに求めていたわけではない。
それでもその6ヶ月という期間の中で、自分のなかにある気持ちを聞き出したかった。

ぼくは夢を自分のなかにある心だと思っている。

夢を考えるのに場所を変えるだけでは意味はなくて、世界一周で夢を探すならそれこそ心が落ち着いていられない瞬間に立ち会うためにたくさんの機会を自分から求めないといけない。
夢を探すことは、自分のなかに答えを求めること。
自分を探すことは、自分のそとに答えを求めること。

自分が想い描く将来の姿、そこに至る一本の軸の通った道筋は静かにぼくの前に現れた。
あまりにも急で静かに訪れたその瞬間に戸惑う。

「あれ、ずっと夢を持つことに憧れていたはずなのにな。」

"あきめれるなら、ゆめじゃねーだろ。" 宇宙兄弟

ずっと先でいい、なれるものなら政治の世界に参加したかった。
「日本の方向性を決めて、その先に導きたい。世界から愛される国にしたい。」
無力な20歳の若者の無責任な想い。でも想うのは自由だ。

でも政治の世界に固執するような政治家にはなりたくない。
日本の政治家が政治家を辞められない理由のひとつに、
彼らは選挙に当選できないと無職のただのおじさんになるから。
自分の信じた道よりも社会の目を気にして、選挙に落ちることを恐れて、不正に手を出す。
そんな政治家になるくらいならぼくはこの夢を簡単に捨てられる。
だからこれはある意味、本当の夢じゃない。自分でもそれはわかっていた。

でも、その将来に沿った道を歩みたかった。
自分自身でしっかりと生活を安定させる程の実力をつけて、その先にあるものを常に見据えておきたかった。

"政治家の武器は人脈かお金か?いや、言葉だ。"

ぼくは政治家になるにしても、人生を生きるにしても言葉を大事にしたいとこころからおもう。
言葉を大事にすることは、他人の心、自分の心を大切にも出来るとおもうから。

時に無力で、時にひとを傷つけ、時に想像を超えるパワーを持つ。
ぼくはそれを大事なひとから学んで、魅せられた人間だ。
そのことに気づかせてくれたひとに心からいまお礼を言う。



 "ぼくのゆめはコピーライターになることです!!"

いまはもう怖くない。いや、ほんとはまだちょっと怖い。
小学校の頃の、将来の夢に友達は"プロ野球選手"と書くところに"公務員"と書いた。
ちょっと現実を見すぎていたおもしくない小学生だったとおもう。

いまはあたまにまだ残る不安の感覚とは別に、喜んでいる心がいるのがわかる。

まだまだ知らないことばかりの世界。
でも、それは他の職業に就いてもおんなじだ。

"やらないと一生後悔するんだろうな" その想いがぼくをいまは行動させる原動力。
もう人に笑われたってぼくはこの夢を追う。

なぜ、コピーライターを選んだのか、わからないひともいるとおもう。
わかるように説明できるかもちょっと心配だ。

ポイントはふたつ。
"言葉を大事にしたい、表現を大切にしたい"という気持ち。
ぼくは言葉の表現がうまいひとを自分よりも感覚がひとつもふたつもおおいような気がしている。
感性をいっぱいにひろげるプロ。人生をより楽しめているようにぼくには見えた。
そしていつか政治の世界に立てた時、人を惹き付けるような言葉で、人柄で政治の世界に自分の存在意義を確立させたい。

もうひとつは"世の中に出る価値を、方向付ける仕事"ということ。
コピーライターは言葉を考えるだけでなく、その価値ある商品をどう世の中に出すかまでを考える。
そこに政治家とクリエイティブなひとたちとコピーライターの共通点を見いだした。
政治家は国家を、コピーライターは価値を、それぞれ方向付けるプロデューサーなんだってこと。

甘いかもしれないけど、子供みたいにゆめをおっかけてみようかなとおもいます。
"仕事って本気になれるかなれないか"ってことを教えてくれた
尊敬する社会人の先輩だってぼくにはいる。

ぼくの持ってきた本、アルケミストの言葉もぼくの背中を押してくれた。
「傷つくのを恐れることは、実際に傷つくよりもつらいものだと、こころに言ってやりなさい。」
「夢の実現を不可能にするものが、たったひとつだけある。それは失敗するのではないかという恐れだ。」


ぼくの持ってきた本たちはぼくの求める時に人生の道しるべをくれるいい本たち。
童話をバカになんかさせません。

ゆめが決まったことで、僕の旅もまたすこし変わります。
より目的設定をして旅が出来ると思います。
それを読んでくれている読者のみなさんが感じることはなかなかないとおもいますが、
このブログはぼくの表現の場です。
もっともっと表現を、言葉を大切にしていかなければいけません。
これからも見守って、応援してください。

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今、沢山の人々が、生きるのをやめています。
この人たちは怒りもせず、泣きもせずに、
ただ、時間がすぎるのを待っているだけです。

人生の挑戦を彼らが受け止めようとしないので、
人生はもはや、彼らに挑戦しようとしません。
あなたも、その危険をはらんでいます。
人生に反応し、立ち向いなさい。
生きるのをやめてはいけません。
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2012年10月28日日曜日

ブルーシティーとONE PIECE

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ジョードプルについて2日は安静にして過ごした。

というのも、身体の調子はそれほど悪く感じられないのに

体温が39度をキープし続けるというインドな症状に見舞われたから。

その熱は日毎に1度づつ下がっていき、いまではもう平熱にまで体温が戻った。

なんだこれ。

「変わっている」という言葉の代名詞が「インド」という国名になってしまいそう。

「うわ〜それインドだね〜。」「ああ、インドだ。」「インドだもん。」


言葉の表現が貧しくなってしまいそう。

しかし、インドな体長不良に襲われた僕は残りの10日程のインド滞在日程を移動を繰り返して、都市から都市へと渡り歩く体力は残っていなかった。

ここジョードプルでの滞在をインド最後に決める。


ジョードプル1番の観光名所でありシンボル、メヘランガル要塞。

白赤黄色緑で彩られた数多くの旗が訪れた人をもてなすように頭の上で軽くはためく。

マハラジャに所有されているこの城は美術館にもなっている。

数多くの美しい色使いがなされた絵によく足を止められた。


途中の景色にこの街が"ブルーシティー"と呼ばれる所以が見てとれた。

旧市街にひろがるその家々。はじめはカーストの最上級、バラモンの家を区別するためだったらしいがその文化がそのしたの階級にも伝わったと聞いた。

僕は空の色のようなその青が好きだ。ツバメが空を舞い、風が街を通り抜ける。


ここジョードプルはONE PIECEのアラバスタの一部舞台にもなった地。

僕がこの街を訪れたいとおもえた理由のひとつ。

メヘランガル要塞の中には銃犬ラッスーやゲストハウスが集まるエリアにクロックタワーと呼ばれ、

ONE PIECEではトリトリの実能力者ペルが爆弾を運び出したシーンのモデルがある。

自分を犠牲にして国を守ろうとする描写のひとつひとつが力強く美しく切なくて泣いたな。

僕の好きなONE PIECE〜アラバスタ編〜の話をさせてください。



僕がONE PIECEを好きな理由は世界中の、世の中の問題を反映して、その問題を自然なかたちで読む人の心に投げかけてくれるから。

現実社会にも存在する昔から繰り返される問題、今を生きる人間が避けてしまっている大きな問題の壁に向かって物語は進み、いずれそれを突き破る。

今の人間が出来ていないことのお手本になるかのように、この本のキャラクターは真っすぐで、人間臭い。


アラバスタ編では"権力者"であるものの身の振り方に感心した。

国のために一心に革命を止めようとするお姫様ビビ、

なにが国にとって1番大事かをしっかりわかっている王様コブラ。

ビビがある時疑問におもい、問いかけます。

—「国ってなんだろう?土地を治めるものが変わっても人々は生き続けてる。文化も暮らしも国が変わってもそれらが変わらないのであれば無理に国を守る必要はないんじゃないかなって。守るべきものはきっと他にあるんだわ。」

それに対してコブラは答えを持っていました。

「国はひとなのだ。」

最後まで革命軍と戦うことを避け、いざとなれば300年歴史のある宮殿も捨てます。

空から雨が降り、クロコダイルに踊らされていたことに気づいた革命軍。

もとは同じ国の国民、その後悔の念が一気に自分たちに押し寄せてきたところでそれを許すコブラの言葉は重さがありました。


 人を信じた王様でした。その後、ワンピースでこの国は急速に発展していきます。

決して不思議には思いません。人を大事にする国ですからね。

王様コブラの言葉「国はひとなのだ。」はとても深みのある言葉。

現代では"その国らしさ"というものがある。

それを醸し出すのはその国の政府ではなくて、その国に住む人。

なにか国の決断に不満がある時、"政府"という中身のみえない組織を批判するのではなく、

見るべきものはやはりひと、人間。リーダーが違えば国の方針も変わる。

ある国のひとりの人間は道ばたにゴミを捨てる。

ある国のひとりの人間は道ばたのゴミを拾う。

ある国のひとりの人間は他人の席を奪うことに必死になる。

ある国のひとりの人間は老人、子供に席をゆずる。

一人一人の行動から国の文化はうまれていく。

「国はひとなのだ。」

この言葉はなんだか忘れちゃいけないような気がするんだ。

遠い過去に活躍した大砲が城下を見据えて置かれていた。照準は未来へ。


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明日は僕の将来の夢について書くと思います。
恥ずかしくなければ。。。。

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昨日に引き続き告知です。
twitterでも大人気になっていてOBとしてとても誇らしいです。
足を運べる方はぜひ!

10/27(土),28(日)
『国際フェスティバル世界市2012』

~世界の飲食と雑貨が集まる祭典~

“見つけて、感じて、きみだけのセカイ”

※イベント内容の詳細や、昨年までの様子はこちらからご覧いただけます⇒

 http://sekaiichiweb.com/?page_id=6366

※随時更新予定



海外ビールを飲みたいキミ!

海外料理が食べたいあなた!

かわいい海外雑貨を手に入れたい方!

一緒に世界市でワクワクしませんか?

日本にいながら世界中を旅している気分になれますよ♪



以下、イベント詳細になります。
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『国際フェスティバル世界市2012』

~世界の飲食と雑貨が集まる祭典~

“見つけて、感じて、きみだけのセカイ”
主催:学生団体世界市プロジェクト 


【日時】10/27(土)11:00~20:00

     10/28(日)11:00~18:00
【場所】さいたまスーパーアリーナけやきひろば

   (最寄駅:さいたま新都心駅、北与野駅、徒歩1分
 ※入場無料
************************************************



【イベント内容】



[28(日)]
▼『僕らの音楽~世界はたくさんの音であふれてる~』

(27日12:00~/16:00~、28日14:00~)

世界各地の民族音楽を生演奏!!美しい音に耳を傾けてください!



この他にも世界の魅力が感じられるイベントを多数ご用意しております。



ジャマイカ、ペルー、アラビア料理といった珍しい料理から、

ロシア、オランダ、インド雑貨…といった様々な国のかわいい雑貨まで、

世界中の海外料理や海外雑貨が大集結した「国際フェスティバル世界市2012」、

ぜひ10/27(土)28(日)はけやきひろばにお越しください。


皆様のご来場をスタッフ一同心よりお待ちしております。


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2012年10月27日土曜日

辛さがあるからこそ。

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バラナシの後から軽く続いていただるさに、アグラから発熱が加わった。

体長が次第に悪化していく。。。



アムリトサル2日目、夜中に目を覚ますと急激な"腹痛と吐き気"に襲われた。

屋台で買った食事が当たったのだろう。

朝までトイレと部屋の行き来が続く。

日が昇っても腹痛が定期的にやってくる。

毒素を出し切るためには水分をとり続けることが重要になるらしい。

すでに旅を終えた旅人からいただいたポカリが僕を救ってくれた。

腹痛がおさまると39度を超える発熱が残る。

それでも、せっかく楽しみにしていたシーク教の聖地ゴールデンテンプルには苦しみながら足を運んだ。

人にぶつかられたら倒れてしまいそうな、それくらいふらふらだった。


次の日の朝早く、ジョードプルに向けて出発する。

駅でインド人に話しかけられるも軽くあしらってしまう。

そんな自分が嫌いだったが、顔があがらない。

電車の中に席を探すと、インド人家族に囲まれた一席に辿り着いた。

よそ者の僕を好奇の目で見て、片言の英語で話しかけてきてくれる。

僕はできる限りの笑顔を作ってその好意に答えた。

会話が終わると、頭痛にうずく頭を抱える。

僕は"インド人の問いかけには全部答えよう"と決めていた。

ハローしか言ってこないインド人にも、ウインクしてくるインド人にも

すべて小さな笑顔か手を振って返事をしてきた。

冷たくあしらうことはしたくなかった。

自分のこころもどんどん冷たくなってしまう気がするから。

誰が見ているかわからない、誰にどんな印象を与えるかわからない。

僕は、僕と関わった外国人には僕を、日本人を好きになってもらいたい。


体調を悪そうにしていた僕をインド人の家族のおばあちゃんが気遣って、

僕に眠るように席を空けてくれた。


「ありがとう、熱があるんだ。」と伝えるとちゃんと心配してくれる。

「なんだかぼくもこの家族の一員みたい。」そんなふうに思えて笑う。

僕はそこから18時間、最悪の体長の電車旅をひたすら寝て過ごした。

アグラ、アムリトサルではひとりでの旅。


体長が悪い間、部屋で天井を眺める時間が多かった。


その時の孤独感はなかなかだった。

世界は僕がいなくたって関係なくまわり続けるんだから。


"どこにでも自由に歩いていける。僕は自由だ。。。。でもその自由はほろ苦かった。"

世界一周は楽しい。でも楽なわけではない。

日本にいるときのほうがはるかに楽だ。安心だ。

日本の社会の流れにもいまは感謝する僕がいる。

旅は自分の決断の中にあるから、自己責任である。

日本の社会のルールなんてみじんも邪魔をしない。

最高に自由におもえ、最高に孤独にもおもえた。

強盗に遭う、詐欺にあう、災害に遭う、病気になる。

そんな時、ひろがった世界がさらに僕を孤独にするだろう。

でもそれが世界一周だった、旅だった。

アクシデントは想像の枠の外に旅人を連れて行く。

計算のできない世界の、辛さも嬉しさもそのこころに届けてくれる。

じゃあ、この辛さは将来何のために役立つだろう。

なにを好きにこんなところで孤独に苛まれているんだろう。

答えは、人と違う選択をする辛さを知って、耐えることを知ることかな。

旅を終えて次のステップを踏み出す時にきっと見える景色があるはず。


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そして告知になります。
僕が以前お世話になっていた学生団体世界市が国際フェスを現在日本で行っています。
僕の海外への扉を開いてもらったきっかけでした。
世界に興味はある人はもちろん、ない人は特に。
さいたま新都心国際けやき広場にて27,28日と開催されています!
ぜひ足を運んでみてください。ホームページを見るだけでも面白いです。

2012 国際フェス 第5回世界市


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2012年10月26日金曜日

批判を自分の中に向けて。

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現在ジョードプルにてゆっくりしてます。


アムリタ・サロヴァルと呼ばれるシーク教にとって神聖な池を前に足を組んで祈る。

「不老不死の霊水」という意味を持ち、この地の地名アムリトサルはここから由来する。

その池の中央にあるのが黄金壮麗な彼らの聖地ゴールデンテンプル。

中にはいると、その寺院を囲むように4方向に入り口がある。

これはいかなる相手にもこの聖地を解放しますというシーク教の寛容さの象徴。

真っ白な建物に囲まれ、独特の音楽がまた神聖な場の雰囲気を醸し出す。

床に敷かれた大理石が僕の足の裏をひんやりと冷やしてくれた。


たまに見かけるターバンを巻いた、恰幅のいいインド人をご存知だろうか。

笑えばどことなく可愛らしく、戦えば屈強な戦士になる。彼らがそのシーク教の信者。

彼らは髪を切らないし人に見せてはいけない、しかし肉は食べるしお酒も飲む。

ヒンドゥー教とイスラム教を批判的に融合してうまれた宗教。

「真理の教えにもどれ。」

開祖シク・ナーナクは解釈に溢れ、ある特定の人間の都合の良いものになってしまっているそのほかの宗教のことを批判した。

"批判を自分に向けられる宗教"だと感じた。

宗教の起こりは完璧な教えのように語られるけど、集う権力のせいで道を逸れることが宗教にはよくある。

しかし、このシク教には絶対的な権力者がいなかった。

偉くなっていくごとに、人は自分を過信する。

宗教も同じように権力を持つと傲慢になる。

ぼくが信頼する人は、批判の矢印を自分に向けられるひと。

日本の政治家の言葉が信用しにくいのはなぜだとおもいますか?

それはただ相手を批判しているだけで自分を見ていないから。

日本の国民が言わなくてもあなたもそうなんじゃないのと感じているから。


シーク教はヒンドゥー教の輪廻天性を肯定し、イスラム教と同様にカースト制度を根本的に否定している。

唯一の神に対して万民は弟子であるという姿勢をとり、宗教、身分、人種、性別あらゆるものはみな神のまえでは平等という信念がある。

"どの宗教も信じる神の根本は皆一緒である"

ぼくはこの考えが自分の宗教に対する考えと一致してシーク教に一気にこころを引き寄せられた。

"人間の幸せ"ってそんなに変わらない。

家族を愛して、自分の人生を愛することが出来ればいいだけだ。

みんなそれを目指すだけでいいはずなのに、人間は武器を取る。

他人の家族を壊してしまう。

シク教徒に神様はいない。

そのかわり"真実"という概念が聖典としてあるのみ。

僕の信じる"真理"とよく似ているのかな。

"人間が人間らしく、よい人間であろうと悩むこと"それが僕の宗教。

むずかしくて説明なんてひとにしないけど、そこでは矛盾も答えとして喜んで受け入れられる。


世界中にあるどこのシーク教の寺院でも誰にでも無料で食事が提供される。

赤いシートに座り、誰もが並んで平等に食事をする。

ヒンドゥー教徒がカーストが違うものと食事を一緒にしないのをシーク教は批判する。

 この写真は僕がタイのバンコクで通ったシーク教の寺院。

無料で朝ご飯が食べられると知って行くと優しく歓迎を受けた。

そのときがぼくとシーク教の出会いの始まりだった。

「ぼく、あなたたちの聖地アムリトサルにいくよ。」

そう告げると配膳係のおじさんが「そうかそうか。」と可愛く笑って僕の皿を大盛りにした。

食べきれない程の量に僕は目を丸くした。



シーク教はお金持ちだった。インドで信者数は2300万人。

インドの総人口が10億と考えると、とても少数派になる。

しかし、彼らはインド人のターバン着用を世界に印象づける存在につながった。


シーク教成立時から裕福で教養があり教育水準の高い層の帰依が多かったことから

社会的に活躍する人材を多く輩出し、ビジネスでも海外に渡航し活躍したインド人に彼らが多かったから。

インド国内でも、スタッフは細いインド人、オーナーはシーク教の方であることが少なくなかった。



彼らには昔から勇敢に戦ってきた魂の強さと、物質的にも裕福で、心のゆたかさがある。

そして、彼らの聖典"グル・グラント・サーヒブ"がある。

どんな文章で彼らに真実を語りかけるのだろう。

英語の翻訳を読んでみようと思う。

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世界では少数ということが注目されることが数多くあった気がする。

悲しい紛争やユダヤ人迫害もそうだ。


しかし、少数派にはすごいちからも秘められていると思う。


ユダヤ人のお金持ちがおおいこと。


シーク教もまたおなじように、そして独自の教えを守る。


ひとつ、忘れがちなことがある。


僕たち日本人もほんとに小さな島に暮らした


少ない民族であること。


でも、僕らの日本は本当にすごい。


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2012年10月25日木曜日

遠くからタージマハルを。

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アグラ城。

他の多くのインド人にとってもそうであるように、あるひとりのお年寄りにとっても

すこし遠くに見えるタージマハルを訪れることは夢であった。

その人はそれなりの身分で、王様の住むアグラ城に住んでいてそこの城からもタージマハル景色を望むことが出来る。

手が届きそうなくらい近くにあるようにもみえるのに、その人には事情があって城の外に出ることが出来ない。

しかし実はそう遠くない過去、タージマハルが建設中の頃には特に、その人はその近くによく行くことが出来ていた。

果てはヨーロッパからも集められた職人たちの働きも知っている。

職人たちの手際の良さによく見とれたものだった。

インド周辺諸国から集められた色とりどりの大理石、宝石のことも知っていた。

美しく汚れない白の大理石に、それぞれの色を閉じ込めた大理石が埋め込まれていく。

その世界に誇るタージマハルがひとつひとつかたち造られていくのを

大事に心配そうに見守っていた時期がそのひとにもあった。

22年の歳月を経て、出来上がったその建築物の凄さは凄まじかった。

その人の目からは自然と涙が溢れた。

それを見上げる職人たちの誇らしげな顔を覚えていたりもする。

職人たちも肩を寄せて喜びあった。




しかし、いま彼が住むアグラ城もなかなかの美しさを誇る十分な城だった。

何しろそこには強力なムガル帝国皇帝がいるのだから、それもそのはずである。


内装に関しても、タージマハルに負けぬとも劣らない装飾がされてある。

そのひとにはいつもタージマハルを眺めるお気に入りの場所があった。

朝目覚めると朝靄に包まれたすこし遠くにあるタージマハルがすこしづつ、

次第にはっきりとその形をみせてくれるようになるまで眺めるのが日課だった。









 お気づきの方もいるとおもう。





実はこの話、嘘だ。





ぼくが話している"その人"とはムガル帝国5代皇帝シャージャハーンのこと。

タージマハルを建設したことで民衆に重税を課し、批判を集めたことで皇帝の座を息子アウラングゼーブに奪われ、幽閉されたシャージャハーンである。

皇帝の座を奪ったと悪いように書いたけど、実際は莫大な国家財産を使っていたシャージャハーンのほうが悪者に近い気がする。

歴史は視点が変わると、ストーリーも変わる。

タージマハルの人気で歴史はシャージャハーンに味方した。


そしていま書いてきたことはぼくの勝手な空想、想像。

感動してくれた人がいたら、ごめんなさい。

でも、空想に浸れる素晴らしい心の持ち主だとおもいます。

きっとそういう気持ち大事です。

 アグラ城を美しく彼の気持ちで語ったつもりだったが、実際の彼の気持ちはそうでない。

きっとタージマハルのそばに暮らしたかったに違いない。

自分が莫大な資金と想いを込めて造らせたそのものに敵うものなど、もうこの世になかったはずだから。

その装飾の美しさもやはりタージマハルのほうが勝っていた。

いま上に見てきた写真たち、その景色は彼にとって牢屋からの眺めだった。

もう一度使うこの写真。


彼はこうやってでしかタージマハルを見ることが出来なかった。

彼はもっともっと大きく造れば良かったとおもったかもしれない。

ツバメのように飛んでいきたいともおもっただろう。

彼はタージマハルに眠る愛妃ムムターズのことをおもっただろう。

その対岸にそびえるはずだった、黒いタージマハルもなんども夢に描いただろう。


この庭を何度突っ切って門を抜けられるかも考えたとおもう。

ここの美しい部屋も彼にとってはただの部屋に過ぎなくて、ここから飛び降りて死にたいともおもったかもしれない。

歴史が視点が変われば語られ方も違うように、シャージャハーンの気持ちで語るとこの場所のストーリーもまた違う話に聞こえてきます

今日はちょっと悲しいお話ですみませんでした。

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